
神々と仏陀との布施についての対話
(この動画の説明文)
サンユッタ・ニカーヤというパーリ仏典において 神々と仏陀とが布施について対話されている内容が説かれている。
神曰はく 「力を与える人は何を与えるのですか? 麗(うるわ)しき容色を与える人は 何を与えるのですか?
安楽を与える人は何を与えるのですか? 視力を与える人は何を与えるのですか? 一切を与える人とは誰ですか?
お尋ねしますが、そのことを、私に説明してください。」
仏陀曰はく 「食物を与える人は力を与える人となる。 衣装を与える人は、麗(うるわ)しき容色を 与える人となる。
乗り物を与える人は安楽を与える人となる。 燈明を与える人は視力を与える人となる。
しかし住居を与える人は一切を与える人となる。 また、真理を与える人は不死を与える人となる。」
神曰はく 「神々も人々も、ともに食物を喜ぶ。 しかるに食物を喜ばないかのヤッカとは そもそも何者であるか?」
仏陀曰はく 「清らかに澄んだ心で信仰心をもって 食物を与える人々はこの世でもあの世でも、 その食物がその人々に順(したが)ってゆく。 それ故に、物惜しみの心を制して 汚れに打ち勝って施しものを与えよ。 功徳は来世において、生ある者どもの 依りどころとなる。」
神曰はく 「いかなる人の功徳が昼夜に 常に増大するのですか? いかなる人々が法に安住し 戒を具えて天に赴くのですか?」
仏陀曰はく 「園に植え、林に植え、橋を作り、 井戸の舎や貯水池を作る人々、 休息所を与える人々、彼らの功徳は常に増大する。 それらの人々は、法に安住し、戒を具えて、天に赴く。」
神曰はく 「この世で物惜しみをし、吝嗇(りんしょく)で、 乞う者を罵(ののし)り退(しりぞ)け、 他人が与えようとするのを妨げる人々、 その人々の報いはどんなものでしょうか? 死んでから、どんなことになるのでしょうか? それをあなたに尋ねるために来たのですが、 どうしたら、我々はそれを知ることが 出来るのでしょうか?」
仏陀曰はく 「この世で物惜しみをし、吝嗇(りんしょく)で、 乞(こ)う者を罵(ののし)り退(しりぞ)け、 他人が与えようとするのを妨げる人々、 かれらは、地獄、畜生の胎内、 ヤマ(閻魔)の世界に生まれる。 もしも人間の状態になっても、 貧窮の家に生まれる。 そこでは衣服、食物、快楽、 遊戯を得ることが難しい。 愚か者達はそれを来世で得ようと望むが、 かれらはそれが得られない。 現世ではこの報いがあり、 死後には悪いところに堕ちる。」
神曰はく 「このことが、このように説かれるのを、 我々は知っています。 ゴータマ(仏陀釈尊)よ。 他の事をお尋ねしましょう。 この世で人たる身を得て、気前よく分かち与え、 物惜しみをしない人々が、 ブッダと真理の教えとに対して信仰心があり、 修行者の集いに対して 熱烈な尊敬心をもっているならば、 その人々の報いはどんなものでしょうか? それをあなたに尋ねるために来たのですが、 どうしたらそれを知ることが出来るのでしょうか?」
仏陀曰はく 「この世で、人たる身を得て、気前よく分かち与え、 物惜しみをしない人々が、 ブッダと真理の教えとに対して信仰心あり、 修行者の集いに対して熱烈な 尊敬心をもっているならば、 かれらは天界に生まれて、そこで輝く。 もしも人間の状態になっても、 富裕な家に生まれる。 そこでは、衣服、食物、快楽、遊戯が 労せずして得ることが出来る。 また来世には他人の貯えた財物を、 他化自在天のように喜び楽しむ。 現世ではこの報いがあり、 死後には善いところに生まれる。」