
経済界の景気循環も自然の修復作用であり、行き過ぎたものが訂正されるのである。
株価の変動でも、上がり過ぎるものは下がり、下がり過ぎるものは上がり、上下を行いつつ、安定した価額に到達するのである。
他人の損の上に、一種の駆け引きのうまさで儲けようなどと思ってはならない。
株をもつならば、その会社が本当に人類に喜ばれる製品を発明したり、生産したりして、人類みんなが喜んで、その製品に集って来つつある光景を心に描いて、それが実現することを祈るがよい。
やがて、その会社が隆昌の上にも繁栄をかさねて、その会社の株価は上がるであろう。
このようにして、株によって、その人は儲けても、人から奪ったことにはならないのである。
"奪う者は奪われ"
"奪ったものは奪い返される"
のである。
また、株の売買で儲けたように見えている人があっても、その人は必ず前世、または、父祖の時代に人々に恩恵を与えていた善業の循環であって、因果は昧(くらま)すことはできないのである。
まず、与えておいた者が、与え返されるのである。
『新版 希望を叶える365章』
p.181 谷口雅春