英会話スクールに何年通っても英語が話せないとか、海外に何年住んでも、まともに英語が話せるようにならない人がたくさんいます。
その理由を考えてみましょう。
ここでは英語を聞くことと読むことは除外して、話すことと書くことに焦点を当ててみます。
英語を話すことと書くこととは
基本的にはどちらもアウトプットです。
英語を話したり書いたりするには
まず英文をつくらなければならないのですが、それには英文法の知識だけでは十分ではありません。
英文法のルールに従って単語を組み合わせて、和文英訳したとしても、多くの場合、ネイティブには通じない英語になることが多いのです。
英会話は瞬間和文英訳ではないのです。
(ここでいう瞬間和文英訳とは最近よく言われる瞬間英作文とは別モノです)
そうかといって英文法が不必要というわけではありません。
文法だけでは不十分ということで、文法もある程度、分からなければどうしようもありません。
自分の言いたいことを自由自在に英語で言いたい、書きたいのなら、一番の方法は、英会話のテキスト
(本文、例文を含め全文)を丸ごと暗記してしまうことです。
暗記用例文集なども有効です。
簡単な英語で書かれたものがいいでしょう。
昔、通訳をしていた國弘正雄さんや鳥飼玖美子さんは、中学三年間の英語の教科書を丸暗記したことで、英語をしゃべれるようになったと著書に書いています。
中学生の教科書は読んで理解するのは簡単でも、この英文を書くことと話すことは簡単にはできません。
しかし、大量の英文を暗記していれば、表現のストックが頭にあります。
英語で話したり書いたりするときには自然に頭に表現の候補が頭に浮かんできます。
そこに単語を入れ替えて、言いたいことを表現できるようになります。
このような話したり書いたりする英語は、英検やTOEICに出てくる英語とはまったく異なったものです。
英語の試験で問われるのは、学術用語だったり、政治や経済、ビジネス関連のフォーマルな単語がほとんどです。
そして、口語的な表現は英語試験ではあまり問われないので、「○○試験に出る英単語集」のリストからは外されてしまいます。だから受験生は口語表現を覚えません。
その結果、英語試験に合格しても英会話ができない人が多いのです。
「試験に出る英語」ばかり覚えていても決して英語を自由に話したり、
書けたりするようにはならないということを強調しておきたいと思います。
英会話は、覚えているフレーズが多いほど、上手な表現で言えるようになります。
これまで試験勉強をしたときの暗記方法で英語の語彙を身につけましょう。
そのためには、英語を聞き流しているだけでは身につきません。
英文を見て、聞いて、書いて、音読する。
こうやって、目と耳と手と口を使って覚えれば記憶が確かなものになります。
いったん覚えても、時がたてば忘れるので、定期的に復習して、覚え直す必要もあります。
英語を聞き流すだけで覚えられるのは、子供のうちだけです。
大人になったら、意識的に頭に叩き込まなければ、記憶に残りません。
そうやって覚えた表現を、英会話の場で使う練習をすればいいのです。
これが実践の場になります。
多くの場合、簡単な英語で表現すれば相手に通じやすくなります。
さて、これまで表現の暗記ばかりに焦点を当てましたが、多くの英文を読み、聞くことも必要です。
いったん覚えた表現が、読んでいる英文に出てきたら、そこで記憶が確かなものになります。
インプットの方法として、表現を暗記することと、幅広く多くの英語に触れることは、どちらも必要です。車の両輪と言っていいでしょう。
このような学習を続ければ、あなたの英語はJapanese Englishではなくなります。